2020/8/21
3D刺繍
立体的な刺繍が出来る
3D刺繍とは
こんにちは、本日の精研ブログを担当いたします大森です。
よろしくお願いします。
普段、帽子を被っている方を見かけることもあると思いますがその中で刺繍入りの帽子をよく見かけます。
あるユーザーさんに聞くと帽子の加工はプリントも需要はあるが刺繍の方が人気ということ。
そんな刺繍入りの帽子をよく見ると
ボコッと立体的な刺繍の帽子を見かけます。
あれは「3D刺繍」といって主に帽子で人気のある刺繍加工の一つです。
野球選手が被っている帽子は3D刺繍が多いイメージです。
説明を聞きに弊社ショールームに来社される方も刺繍機で出来るんですか、どうやって作るんですか、刺繍を何重にも縫い重ねて立体的に盛り上げてるんですかと聞かれます。
実はウレタン等の素材を敷いてその上から刺繍をして立体的な刺繍を作り出しています。
そう聞くと途端に難しいのではと思われがちですがやり方さえ覚えればそこまで難しいことではありません。
クオリティを突き詰めていくと一筋縄ではいきませんが・・・
今回はそんな3D刺繍をご紹介致します。
ウレタンをを敷いてその上から刺繍をする
ではどうやって立体的に刺繍しているか
先ほど説明したように「ウレタン」を敷いてその上から刺繍します。
このウレタンにも種類があり、硬かったり柔らかかったり、厚みも複数あったり、色も数種類あります。
縫う生地の上にそのままウレタンを敷きその上から刺繍します。
初めはウレタンを固定する意味合いでランニンングステッチで縫ってから刺繍していきます。
ここは中にウレタンを閉じ込めていく必要があるので縁から縁に糸が掛かって縫っていくサテンステッチで刺繍をしていきます。
刺繍が完了するとペリペリと手でウレタンをめくっていきます。
中の部分はピンセット等で綺麗にとってあげてください。
完成です。
横から見たら立体的にボコッとなっているのが分かります。
ここでワンポイント!
帽子の時はこのようにウレタンを固定すると便利です。
ウレタンの端に切れ込みを入れ輪ゴムを取り付けて帽子枠のクリップに引っ掛けます。
3D刺繍用のデータ作成方法がある
ご覧になって頂いたように3D刺繍はウレタンの上から刺繍をしてめくるだけなのですが
3D刺繍「独自」のデータ作成方法がありその方法を行わないと綺麗に仕上がりません。
ではどうするか。
通常の文字データ、3D用のデータと2種類作ってみました。
通常のAの文字をサテンステッチで縫う時の糸の掛かり方と
ウレタンの上から縫う3D刺繍では糸のかかり方が違うのがお分かりでしょうか。
丸で囲っている部分をご覧ください。
画像は「A」の左下部分です。
× 通常のデータ作成では「A」の下部分には針が刺さりません = 針が刺さらない(切り取り線がない)のでウレタンをめくれません。
〇 3D刺繍用は縫わない(針が刺さらない)部分には予め針を刺すようにしています。
要するにウレタンをめくるときにはデータで全部の縁に針を刺すデータ作りが必要になってきます。
この針が刺さらない部分は事前にデータを作成して本番のサテンステッチで被せて縫っていきます。
そうすることで縁全部に針が刺さり「切り取り線」のようにウレタンを刺し(切り取れる)手でめくれる状態にすることができます。
そしてここがポイント!!
通常の糸密度の倍ぐらい糸密度を詰める必要があります。
ウレタンの上を糸で被せているので隙間があれば中のウレタンが見えてしまったり飛び出たりします。
糸密度を詰めてあげることによってそういった現象を軽減させるのが目的です。
それでもはみ出てしまったりするのが実情です。
そういう時はスチームアイロンでウレタンを潰さないようにかけてください。
ウレタンが縮んで綺麗になります。
このようなノウハウも精研スタッフはお客様と一緒に刺繍ビジネスを盛り上げる為努力致します。
気になった方はまずはお問い合わせください。