2025/1/18
フォト刺繍 何が難しいのか2
画像編集を考える
こんにちは。精研のフォト刺繍クリエーター、樋口大です。
今回は画像編集についてのお話です。
ハイエンドなフォト刺繍を作っていくための第一段階として、画像編集は欠かせません。フォト刺繍を作られる方の中で、作ったフォト刺繍が思っているより暗いイメージになると感じる方はいないでしょうか?
ある画像を編集なしでフォト刺繍のデータに変換してしまうと、100%暗くなります。
刺繍ソフトのリアルステッチモードは信用できない!
ところで、みなさんは刺繍ソフトで刺繍データを作る時のステッチの表示はどのモードを使用しているでしょうか?
多くの方がリアルステッチモード(刺しゅうPRO)、あるいは3Dモード(DG16)で作っておられるのではないでしょうか?
はっきり申し上げて、私が使用している刺繍ソフトのリアルステッチモードはどれも信用できません。フォト刺繍に限らず、どのような刺繍データを作る上で、PCの画面上に表示されているイメージと、実際の刺繍には見た目にギャップがあります。
このことは既に刺繍機や刺繍ソフトをお使いの方はご存じですが、まだまだキャリアの浅い方はPCなどのデジタルの世界と実存の世界には常にギャップがあることを知っておくと、クオリティ向上につながります。
暗くなる問題を解決する。
私がフォト刺繍のデータを作る前に画像編集を行うようになったのは、刺繍になったら暗く仕上がるのを補正するためです。
単純に暗くなるなら元の画像を明るくしてしまえ!と思ってやっていたのですが、途中で大きな問題に気付いてしましました。
というのも、どんなに画像を整えたとしてもフォト刺繍自体は画像と全く同じ色合いで作ることができないからです。糸の色が合わないことに関しては前回の記事(こちら)をご参照ください。
フォト刺繍を始めた当初は、全て変換ベースで刺繍することを前提にいろいろ考えていたので、刺繍ソフトに最適な糸を選択させる目的もあって画像編集をしていました。
画像の明るさをかえることで、刺繍ソフトが選ぶ糸の色の明るさも変えることを目指していたのです。
現在やっている画像編集は「新しい価値」を生み出すため
現在の私が画像編集を行っているのには、上記の目的に加えて、作品の印象を強めるために行っています。ある画像をフォト刺繍で表現してほしいと依頼されたとしましょう。研究考察してたころは画像に忠実に表現することを常に念頭においてフォト刺繍を作っていましたが、フォト刺繍クリエーターとして作る以上、元の画像より印象深く感じてもらえるものを作らなければ、新しい価値は生まれないと考えるようになりました。
私がフォト刺繍で皆さんに提供しているものは、「新しい感動」という価値です。
簡単に語れないことばかりです。
画像編集に関しても文章で説明するのが難しいことが多いです。
明るくするといってもどの程度やればいいのか、逆に暗くしてもいいのかなど、フォト刺繍にする題材によって加減は違います。そして、作る人の感性によっても異なります。また、実際にどのように画像編集しているのかなど技術的な部分について今回記していませんが、そればまた次回以降にしたいと思います。
ただ、私が言っている画像編集は画像のクオリティを向上させるためのものではありません。あくまでフォト刺繍に最適化させるための画像編集ですので、お間違えの無いようにお願いします。
それではまた。