2024/4/11
フォト刺繍のデータ編集
簡単ではないが、難しくはない。
こんにちは。樋口です。
フォト刺繍の編集動画をYouTubeの精研チャンネルにアップしました。
フォト刺繍のデータ編集を解説付き動画にしてみました。
フォト刺繍は本来データ編集などしなくても作成することが可能です。
しかし、自分のイメージ通りにフォト刺繍を作ろうと思ったらデータ編集した方が良い場合が多いです。少なくとも私のフォト刺繍においては必須の作業になっています。
どの位編集するのか。
実際のところ、特定の法則はありません。
どのステッチを削除し、または追加するのか、切り分けるのかなど、データの編集方法は様々で、作品ごとに作られたデータの状態によって変わります。
私自身もフォト刺繍を始めた頃はデータ編集は行なっていませんでした。
刺繍ソフトも「刺しゅうプロ」しか使ってませんでしたし、そもそもデータ編集するという考えもありませんでした。
しかしタジマのDG16を使うようになり、構成されているステッチの状態を詳しく見ることができるようになってくるに従って、簡単な編集から少しずつ始め、現在では全ての作品でステッチ編集を行なっています。
刺しゅうプロのフォトステッチ機能はとても優秀です。
画像を自動的に最大50色で変換してくれます。
たった50色であれだけ写実的な刺繍データを生成するのですから、毎回画像変換する度に感心してしまいます。
ただ、50色にまとめる能力が、画像の持っている複雑な色合いの表現を失わせることにも繋がります。一例を挙げると、人物のフォト刺繍を変換した時、唇の赤と頬の赤が同じ色にまとめられてしまうということなどは私以外の方でも体験されているのではないでしょうか。
今回の動画の中では同じ色で構成されている部分を分割・再結合し、さらに別の色に変更するといった編集を行なっています。刺しゅうプロのフォトステッチ機能の変換だけでも相当レベルの高いクオリティなのですが、『極める』という観点からみた場合、違う色調の対象はそれぞれ別々の色として取り扱うべきだというのが私の考えです。
もちろん、私のこの方法が唯一の正解であるというつもりはありません。本当はもっと簡単にできる方法があれば私も知りたいし、その方法でフォト刺繍を作ってみたいのです。しかし、画像編集・データ作成・糸選びのそれぞれの作業において、簡単に解決できる方法は見つけられませんでした。
精密な表現を試みた場合、応分の手間と時間を費やさざるを得ません。
この動画ではこれらの複雑な作業の一部をご覧いただくことになりますが、手間と時間をかけたからといって、多くの方々に共感いただけるようなフォト刺繍作品が誕生するわけではありません。ただ、あらゆる考察と努力をしなければ、自分自身さえ納得できないだろうと自分に言い聞かせて編集しています。フォト刺繍のデータ編集はそのくらい面倒で時間がかかってしまいます。
こうして作られたフォト刺繍作品は、時に、私の予想を遥かに上回るような出来栄えになることもあれば、失敗して心が折れることもあります。でもこれこそがフォト刺繍の醍醐味だと思います。
さて、今回のフォト刺繍はどんな風に仕上がるのでしょうか。